広島で注目の新しい習い事:ヒンメリ作り

ヒンメリ(himmeli)というものをご存じでしょうか?広島でも人気が出てきたクラフトです。麦わらを小さく切って糸でつなぎ、多角形や八面体といった立体的な幾何学構造物を作ってモビールやオーナメントを作ります。北欧らしいシンプルさと材料が藁というナチュラル素材という素朴さがインテリアを問わない飾りとして現代にも受け入れられています。

photo credit: tonilaakso Joulu on taas via photopin (license)

ヒンメリの歴史

ヒンメリは、フィンランドの伝統的な飾り物で、その始まりははっきりわかっていません。北欧といえばオーロラとムーミンしか思いつきませんが、バイキングのふるさとでもあります。まだキリスト教が普及していない時代、フィンランドを含む北欧の地にはゲルマン民族の人達が暮らしていました。彼らが信じる北欧神話では、冬至はいわば新年とされ、秋の収穫祭のあと、日に日に弱っていく太陽が再び復活し、力強く輝くことを祈るためのお祭りが開かれます。そのお祭りをユールといいます。ユール用のごちそう料理がたくさん作られ、部屋もにぎやかに色々なオーナメントを飾って、大量に現れる悪霊や死者の魂と一緒に宴会をして過ごしたということです。なんだか、盆と正月が一緒くたになったようで、さぞかし、どんちゃん騒ぎだったことでしょう。


photo credit: pni Christmas Lights In The Esplanadi Park (II) via photopin (license)

その時のユール飾りの一つがヒンメリです。秋に終わった収穫の後で残された藁を使い、再び収穫が得られるよう祈りを込めて作られます。より精巧なヒンメリほどより豊かな収穫が得られるとされ、今日見られるような八面体を組み合わせたものになりました。収穫祭も終わり、ユールのお祭りのために、選りすぐりの藁を使って、火のそばで作られていたと想像すると、日本のお正月のしめ縄作りがイメージされて親しみを感じます。それから、キリスト教が北欧にも入ってきて、ユールのお祭りがクリスマスとなり、ヒンメリもクリスマスの飾りとして使われるようになりました。

現代でも魅了するヒンメリのミニマルな美しさ


スケルトンのきれいな八面体や星を作るには、まっすぐできれいで傷のない藁を使う必要があります。藁の中からよりすぐるので、材料を集める時間も長くかかったことでしょう。そうして作られたヒンメリは部屋のあちこちに吊され、形、動き、暖炉の火とヒンメリが作る影が人々を喜ばせたと想像できます。
同じように藁を使って作られる飾り物にポーランドのパジャキがありますが、こちらは色彩にあふれ、カラフルなクレープペーパーで作った花やウールフェルトのボールを飾った華やかなもので、紙のシャンデリアと呼ばれています。パジャキの写真が見つからなかったのですが、イメージしていただけたでしょうか。これはこれで楽しそうですね。
ヒンメリの幾何学的なミニマルな美しさは、現代の私たちのモダンなお部屋に置いても違和感なく、楽しませてくれます。
とはいえ、そこは現代ですから、ヒンメリにもバリエーションが生まれています。そもそも、藁を入手することが難しいですから、カラフルなストローなどが材料として売られています。ヒンメリの基本の正八面体や星形にビーズやサンキャッチャーを組み合わせたり、中に植物を入れたり、吊して楽しむだけでなく、より装飾性のあるものが作られるようになり、インテリアだけでなく、アクセサリーとしてもヒンメリが作られています。

そんなヒンメリですが、広島では、まだ教室が少なく、府中町のzakka koppeさんがワークショップを開いてくださっているくらいです。色々なところで体験レッスンをされているようですので、チャンスがあれば、是非、ヒンメリを体験してみてください。
雑貨 koppeさんは、こちら

新しい習い事の教室、楽しんでくださいね。

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