100均で揃う!クイリングでお正月の箸袋飾り作り、参加レポート

巻くだけだけど奥深いペーパークラフト、クイリング


photo credit: Quilling by Ada Trandafiri via photopin (license)

クイリング(Quilling)は、細長く切った紙を巻いたものを一つのパーツとしていくつも組み合わせ、いろいろな飾りを作るペーパークラフトの技法の一つです。
Quillというのは、鳥の羽のことで、ヨーロッパではガチョウの羽を削ってペンとして使っていました。羽ペンと言えば羊皮紙。果たして、羊の皮を巻き巻き出来たのかとか、あの羽のバラバラになる部分が邪魔では無いのかとか色々な疑問が頭の中で巻き巻き始めたので、調べてみました。

クイリングが始まったとされる15世紀のヨーロッパは、中世も終わりの頃、ルネサンスの時代です。イメージ的には、「ロミオとジュリエット」や「チェーザレ」のイメージでだいたい合っています。中国は「明」の時代、アメリカでは、「マヤ」、「アステカ」時代、日本は「真田丸」の時代です。とても各地が個性的だった時代ですね。当時、ヨーロッパは、外資(明)からの技術移転を受けて、麻布のボロなどを原料にした製紙工場を各地に作り、また、印刷技術が発展したおかげで、書物が庶民の手に渡るようになっていました。紙がそれまで書かれる物として一般的だった羊皮紙と比べて安価で身近なものになっていました。また、書く物である当時の実用羽ペンは、羽の軸のみを使っていたので、今とはイメージが違いますね。

クイリングを始めたとされるのは、当時の修道女の皆さんですが、彼女たちは、写本や挿絵描きをしていたので、集中力が鈍った一人が紙を細長くちぎって、軸に巻いて退屈しのぎをしたのが始まりなのでないかと容易に想像できます。まさに、中学時代、ノートをちぎってシャーペンに巻いてやってましたから。私がそれをやっていたのは、20世紀末ですが、これで飾りを作ろうとか全く思いつきもしませんでした。500年前の修道女さんたちは、クリエイティブだったんだなぁ。

そんな親しみのある始まりのクイリングですが、技法も進化し、様々な色の紙が使われることで、現代では、「アート」と呼ばれるほどの域になっています。Pinterestで「Quilling」と検索すると超絶技巧の素晴らしい作品の数々を見ることができます。是非、検索してみてください。


photo credit: Crazy House Capers quilled stars via photopin (license)

用意するのは、紙とノリとピンセット

今回は、初心者向けの簡単なもので、所要時間30分。特別な道具もなく、お正月用の箸袋の飾りを作りました。

紙の手触りというのは、なんだか懐かしい感じがします。授業中のイタズラはさておき、小さい頃から折り紙などでなじみがあるからでしょう。
材料は以下です。すべて100鈞で揃います。わざわざ買わなくても家にあるものでOKです。

道具と材料

・箸袋になる和紙

・色の付いた画用紙

・はさみ、またはカッター、定規

・木工用ボンド

・ピンセット

・爪楊枝

クイリング用として、細長くテープ状に切ってあるものも売られています。画用紙を切るのが面倒な場合や本格的に作りたいときは利用する方がいいでしょう。また、今回はピンセットを使いましたが、クイリングスロットという巻く専用の道具もあります。先端に細いスロットがあって、そこに紙を入れ、巻いていくものです。その他に、大きさをそろえるためのモールドやクイリングコームなど、いろいろな便利な道具を紹介していただきました。手芸店やホビー店では、キットとして売られているので、それで揃えても良さそうです。

まずは箸袋から

1.A4の和紙を三角に折り、端を裁ち落として、正方形にします。

2.広げて中心から一度折り、さらにもう一度折ります。

3.右4分の1を内側に折り、写真のように両端の角を3角に折ります。

4.折り目に沿って右をさらに内側に折り、左側をかぶせるように内側に折ります。

5.手前部分を少し追って、箸袋の底にします

箸袋のできあがり

まきますか まきませんか

巻く前にまず、ピンクの画用紙の長い方を5ミリ幅で切ってテープを作ります。一つの花で5本使うので、15本分切ります。緑の方は短い方で3ミリ幅で2本切ります。このテープ作りが地味に面倒でした。早く巻きたいという気持ちを抑え、もくもくとテープを切ります。結構集中していないと幅が不揃いになるのですが、できあがりがきれいでないのでここは慎重にカッターをすべらせます。ああ、めんどくさい。これは、絶対、買った方が速いわ(当たり前)!ああ、早く巻かせろやーと心の中で叫びながら、切り終わり、しばし休憩。

遂に巻き始めるが、みんな無言で集中

花から作ります。ピンクのテープの端をピンセットで挟み、強く引っ張りながらピンセットに巻き付けていきます。まずは、先生がくるくると巻いてお手本を見せてくださいましたが、簡単そうに見えて、力の加減がよくわからず、ゆるんでしまいがち。思いっきり引っ張ったらやぶれるんじゃないかとか、強く巻き付けたらピンセットが抜けなくなるんじゃないかと心配になったりしたのですが、大丈夫。強めに!と言われて、かなり固く巻きました。

専用の道具だとこんなかんじ。専用だけあって、ラクです。

紙って意外に丈夫なものなんですね。慣れないのと力加減がわからないので、みなさん、無言で集中。ひたすら巻き巻き。適当な大きさの花びらになったところで、爪楊枝にボンドを塗って端を固定し、ピンセットを抜きます。抜いたら、ピンセットではさんでつぶし、花びらの形を整えます。ノリを付けるときに爪楊枝を使うのは、ボンドがはみ出てしまうと見た目が良くないのと、余計な物をくっつけてしまわないため。細かい作業です。

花びらが出来たら、枝を作ります。緑のテープを長短、二本に適当な長さに切り、それぞれ、中心を追って、折った元の部分にボンドを少し付けます。両端を軽く巻いて、ボンドで端を止めずにピンセットを抜きます。

完成!

花びらと枝をそれぞれ箸袋に配置し、ボンドで固定していきます。あまりボンドをつけすぎるとはみ出てしまうので、花びら全体に伸ばすように塗ります。枝は、花びらに挟み込みます。
今回は、固い巻き方(タイトサークル)で作りましたが、わざと端を止めないで自然にゆるめたところを止めるルーズサークルというぜんまいのような形のパーツもあります。いろいろなパーツをいろいろな色で作り、それらを組み合わせて作る作品は、創造性を刺激します。はまってしまう人が増えるのもわかる気がしました。短時間ですがとても楽しいレッスンでした。家族分作って、お正月に出したいと思います。
クイリングの楽しさが伝わりましたでしょうか?やってみたいと思われた方は、是非、イベントに参加してくださいね。

ブログ一覧に戻る